交通事故の慰謝料には3種類があることを知ろう

慰謝料

慰謝料は、大きくわけて3つの種類がある。

交通事故によって被害を受けた場合、加害者側に対して治療費、修理費、休業損害、逸失利益などさまざまな損害を請求できますが、中でも交渉の仕方次第でその金額が大きく変動するものに「交通事故慰謝料」があります。交通事故に関連するポータルサイトでもこの交通事故慰謝料の増額に関する記載を多く見かけます。ただ、慰謝料と一言でいっても、実はその種類には大きくわけて3つの種類があることをご存知でしょうか。
慰謝料はこれらの種類によって、その金額や計算方法が全く変わってきます。
そこで慰謝料の3つの種類について分かりやすく解説してみたいと思います。

その1:傷害慰謝料(入通院慰謝料)

交通事故によって怪我をすると、その怪我を治療するために病院に通わなければなりません。交通事故にあわなければ、病院に行く必要はなかったはずです。そこで、その入通院に対する精神的苦痛を金銭として評価して相手方に請求するのが「傷害慰謝料(入通院慰謝料)」です。
慰謝料の金額は、入通院慰謝料表という算定表に当てはめて金額を算出します。この際の基準は、入院期間と通院期間です。対象となる期間は治療が終わる症状固定までの期間になります。

【示談交渉ではココが争いになりやすい:通院期間の修正について】

通院期間というのは、例えば月に20日間通院していても4日通院していても、通院期間としては同じです。けれども、あまりにも通院している日数が少ない場合は、加害者側から通院期間の修正を求められる可能性があります。

特に、通院期間が1年以上に及ぶような場合は、ひと月あたりの通院日数が4回程度を下回ってくると、加害者からこの指摘を受ける可能性があります。その場合、通院日数は以下のように修正されます。

通院実日数×3.5÷30=修正通院期間(月)

そのため、傷害慰謝料を請求する際には、通院期間だけではなく、通院日数についても気をつけて通院するよう心がけましょう。

その2:後遺障害慰謝料

交通事故によって負った怪我の治療が終わったと診断された後(症状固定後)にも一定の症状が残った場合に、後遺障害認定を受けて等級が認定されると加害者側に請求する事が可能になります。
先ほどの傷害慰謝料とは別枠で請求が可能なため、もしも後遺障害に認定されると、高い等級であれば慰謝料の総額が数倍にまで跳ね上がる事も少なくありません。
後遺障害慰謝料の金額は、各等級によって一定の金額が基準として決められており、それを基準に算定する事になります。

例えば、「むち打ち症」などの神経症状で後遺障害認定第14級に認定されたと仮定した場合、後遺障害慰謝料は概ね110万円です。

その3:死亡慰謝料

交通死亡事故によって、人がお亡くなりになられた事に対する慰謝料です。死亡慰謝料は、死亡した本人に対する慰謝料と、その遺族に対する慰謝料がありますが、裁判上はこれらを合算して最終的な死亡慰謝料を認定しています。ただ、実質的には本人は死亡していて直接加害者に死亡慰謝料を請求する事ができない状況のため、実際は死亡した本人の相続人が加害者に対する「本人の死亡慰謝料請求権」を相続によって取得した形で請求する事になります。

【死亡慰謝料の相場】

死亡慰謝料の相場は、死亡した人の属性によって変わってきます。

1:一家の大黒柱(給与所得者など)が死亡した場合

この場合は、死亡慰謝料としては最も高い3,000万円以上が認定される可能性があります。過去の裁判例を見てみますと、死亡した本人の年収や扶養すべき家族が何人程度いたのかなども考慮される傾向にあります。

2:その他の場合

専業主婦、年金受給者、無職者などに認められる死亡慰謝料は概ね2,000万円から2,500万円程度です。実質的な収入がなくても死亡慰謝料は認められます。

なお、交通事故によって病院に搬送され、数日間集中治療を受けた結果死亡した場合も死亡慰謝料の請求が可能です。この場合は、数日間の間に発生した治療費、及びその期間を入院期間として傷害慰謝料もプラスして請求する事が可能です。

このように慰謝料には3つの概念があります。また、それぞれ請求できるケースが異なるため、ご自身の事故形態においてどの種類の慰謝料が請求できるのかを正しく理解する必要があります。

また、これらの慰謝料にはそれぞれに、自賠責基準、任意保険基準、裁判基準という3つの異なる基準が存在します。最も高くて正当な慰謝料を受け取るためには、最も高い基準である「裁判基準」を用いて慰謝料を算定し、その金額の支払いに加害者側が応じるよう、交通事故に強い弁護士が毅然と交渉する事が何より重要なのです。

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